Live Diary 2025/08/23 謝辞:神楽坂マッシュレコード「納涼きにともvol.17 利根川風太」

おつかれさまです、たにぴ@もまゆきゅです。

暑いですね。ぼくらも、江戸川橋からマッシュレコードまでを歩く間に行き倒れになりかけました。
マッシュの看板のネオンサインは見えたときには、
「助かった…、生きて辿り着いたぞ」
と想いましたし、会場入りしてセッテイングの前に、
「まずかき氷を!」
となる為体でした。
そろそろ青森に遷都しないと日本はもたないんじゃ…いや聞くところによると沖縄は今夏の最高気温は32度だとか…。

閑話休題。

「納涼、音楽区」
とサブタイトルをつけた今回の「気になるともだち」シリーズ。
涼むために、ゲゲゲのテーマを演ってみたり、少し怖いSFを取り込んでみたり、余興感のあるライブ、愉しんで頂けたでしょうか。どうでしたか、ご来場くださった皆さま。

私自身、基本的に、
「作品の背景にある物語や、その物語の外側にある時代も含めた息吹きを勘ぐる」
というのがめっちゃ好きなほうなので、これ迄もきにともで披露された数々の音楽家や芸術家の物語を独自に読み解こうとしてきました。
ただねー、今回のパフォーマンスについて、2つ程不安があったのではあります。

まずはセットリストを。

冒頭:ゲゲゲの鬼太郎イントロ
1.あやしいくだもの
2.sheep nocturne
3.チャンス・オペレーション
4.moonriver(ヘンリー・マンシーニ)
5.無重力ファム・ファタール
6.closing theme
7.ウルトラマン’ズ・ワイルド・ワイフ

2~4は、たにふじがもう30年以上前に書いた短編物語「宇宙遊泳」をゆーこさんに朗読してもらい、若干の画像もつけてお送りした、その途中にインサートする形での演奏となりました。
タイトル、全く言わなかったな…。ま、いっか。

その「宇宙遊泳」が、若干不安でした。
ひとつめ。
ぼくごときが大昔に書いたものを、披露するなんて一寸だいそれたというか、もっと素晴らしいものが世に溢れてるのにそんなんで皆さんいいんですかどうも気後れするんですけど…、というもの。
ふたつめ。
セットリスト前に書いたとおり、おいらみたいに作品から物語を読み解くのなんて、普通めんどくさいからもっとストレートに愉しめるものを選びたくないかしら、です。

だって、ぼくだって例えば映画観るときなんて、難解なものとかB級サメ映画とか、選ばない。避けるもの。折角来てくださったお客さまが、なぁんか大人しく聴いてないといけないものを喜んでくれるものかしら。寝ちゃった方が気持ちよかったりしないかしら。
ただでさえ世はショート動画の時代且つ縦動画の時代ですし。

ゆこさんの後押しで、踏み切れた。そんな自信のない状態ででも音楽を頑張ろう、とも考えた。今たにふじはフリー・インプロヴィゼーションをやりたいモードが強く、それを実験する意味でも、渡りに船だったんですね。
(因みに、結構事前にゆこさんにここはこう演奏してとかリクエストされたけど、そんなに従わなかった。でもフリーって非常に難しい。現代音楽をきちんと作曲する理由がよくわかる経験でした)

当然、シーンと静まりかえった客席。ライヴってコールしたり「ほぅわっほうわっ」とかやって盛り上がるもんでしょという期待でいらした方には、どうだったか。
ビビッてまして、感想を聞けないんですよ。どうだったでしょう皆さま。
涼むというよりすべって寒い…だったりして。

まあその、あの10分一寸の物語(演奏を入れて20分強)は、昔過ぎてどんな動機で書いたのかも憶えてないのです。多分、「究極の孤独な状況を想像して、その中で思考とはどんな風に泳ぐものかを想像して、そこから帰還する迄の過程を考えた」とかそんなところだと想います。憶えてない。で、宇宙遊泳のスライドをNASAのサイトから見つけて用意してたのに即興演奏に必死になって有効に活用出来なかったな、残念だ、でももうこの作品を上演することは、今後あるかどうか、なさそうだよねー、うーん、大変だもんねー。

そうそう、実はね、重要なことがあるんです。最後のmoonriverが終わって主人公の1行のモノローグ、あれは、ぼくが書いたんじゃない。ゆーこさんが、提案してくれて、わあそれめっちゃ涼しいわ!とぼくがノッたんです。凄いでしょあの一言。
観てない人にはなんだかわかんないですね…ふっふっふ。

さて、前座終わって風太クン登場。毎回毎回、パフォーマンスを観る度に新しいインスピレーションをくれる利根川風太さんですが、今回も、マイクの独創的な使い方や楽器のボディや床までも駆使して表してそして著してくれた。
憶えてますかあのアンコール!
何故???何故それなの???いや、謎のままでいい…。

打ち上げタイムでの彼のお笑い愛トークにも面喰らいました。凄かったです!
あと忘れちゃいけない、今回ご自身のライヴということで欠席だったチームもまゆきゅのとぅるほわさん、今回も感涙の差し入れを頂きました。勇気170倍でした!

はいみなさん、次で、今のところ予定が立っているマッシュでのきにともも、いよいよ次回で中締めです。これからどう維持していくのか、ぼくらもわからない。場所を捜さないといけないのか、或いはマッシュ自体が何らかの活路を見出すのか。
ともあれ、待望の18回は、再び榎本玲奈の登場です。
2023年の11月、たにふじのたつての希望により、彼女はきにともに降臨してくれました。そして、坂本龍一のかなりマニアックに振ったたにふじ選曲をこなしてくれました。感謝と、感涙と、そしてぼくにとっての、何度目かの教授へのお別れの儀でした。そこには、戦メリもラストエンペラーもない、極私的な選曲で通してしまいました。
11/15、きにとも最後(中締め)の日、また榎本さんが来てくれます。今度は、もう少しベタな曲や、有名曲や、楽しげな曲も演ろうと想ってます。まだ詳細は詰めていないけれど、ボリュームたっぷりでお送りします。

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